キヤノン製品取扱パートナー

信誠商事株式会社
キヤノン製品取扱いパートナー

HOME > 製品情報 > 放送機器 > EFシネマレンズ > EFシネマレンズについて

EFシネマレンズの特徴

高画質 High resolution

EFシネマレンズについて

ハイビジョンから4Kへ、EFシネマレンズは、シャープでクリアな解像度を実現しつつ、しなやかでリアリスティックな映像を描き出します。 最先端のデジタルシネマカメラにフィットした、シネマレンズの新たなスタンダードの誕生です。

■レンズの高画質化に向けたキヤノンの取り組み

レンズにおける高画質とは、一般的に解像力とコントラストの両方が、共にバランス良く高いレベルにある 状態です。しかし、解像度を上げるための収差補正はレンズ構成が増えてしまい、ぬけが悪くなりコントラストが低下してしまうという設計上の難題があります。 EFシネマレンズでは、解像力とコントラストを高い次元で両立させるために、キヤノン独自に開発した優れた光学特性を持つ、大口径高精度非球面レンズ、蛍石、UD ガラス、Hi-UDガラスなどを適材適所に採用する事で構成枚数を抑えながらも、画質劣化の要因となる色収差や諸収差を補正します。また、スーパースペクトラコーティングに代表される様々なコーティングをレンズ表面に施し、 高いコントラスト性能を実現しています。これにより、画面の中心から周辺に至るまで、シャープでヌケの良い優れた描写性能(高画質) を実現しています。

■スーパー35mmに対応した4K高画質

EFシネマレンズについて2

フィルムの時代から映画撮影用カメラの標準となっている、スーパー35mmのイメージフォーマット。これまでの放送・業務用HDカメラの標準であった2/3インチに比べて大判であることで、小絞りまで回析による解像力低下が発生せず、幅広い絞りの範囲で高い解像度を維持することができます。スーパー35mmは、デジタルシネマにおいても4Kの標準フォーマットとして採用されています。EFシネマレンズでは単焦点のプライムレンズから、トップエンドズームに至るまで、高い光学性能を達成するための良好な収差補正がなされており、スーパー35mmのイメージフォーマットにおいて、およそ80本/mmという高い解像力を実現しています。またLOGやRAW収録など、ワイドダイナミックレンジが求められる動画撮影用に、逆光撮影などの厳しい条件でも、ヌケの良い描写を確保するようコントラスト性能を高め、ゴースト/フレアの低減も行っています。

■EFシネマレンズの高画質を支えるキヤノン独自の光学技術

EFシネマレンズについて3

[ 蛍石 ]
通常の光学ガラスでは、理論的に色収差を完全に取り除くことは出来ず、必ず僅かな残存色収差が残ります。この光学ガラスの課題を解消し、理想的な色収差補正を可能にする材料が蛍石(CaF2)です。蛍石が、光学ガラスにはない異常分散性を持ち、色収差除去に効果的であることは知られていましたが、キヤノンでは早くから蛍石の有効性に着目し、材料径が200mmを越える大口径化にも対応できる人工結晶化の研究を進め実用化に成功しました。蛍石は、ズームレンズの 前玉部などに使用され、望遠側で発生する色収差の補正に有効です。

EFシネマレンズについて4

[ UD及びHi-UDガラス ]
蛍石と同じような光学特性を持つガラス素材の開発が進められ、誕生したのが、UDガラス(UD: Ultra Low Dispersion)です。UDガラスは、屈折率・分散とも光学ガラスとしては低い特性を持ち、異常分散性も備えているため、適切な組み合わせを選択することにより、蛍石と同様な効果を得ることができます。さらにUDガラスの性能を大幅にアップさせ、蛍石の特性とほぼ同等の効果を備えたのが、Hi-UDガラスです。Hi-UDガラスはズームレンズの前玉部や変倍部に使用され、望遠側で発生する色収差の他にフォーカシングやズーミングによる収差変動の抑制に有効に働きます。

■キヤノン非球面レンズ技術

EFシネマレンズについて5

優れた球面レンズであっても中心部と周辺部で屈折率が異なるため、理想の一点に光線を集光させることは不可能です、その為複数のレンズを組み合わせることで収差を補正することになります。非球面レンズは図のように各々の入射に対して理想的な一点に光線を集光させることが出来るので、球面レンズ数枚のレンズで得ていた性能を一枚のレンズで得ることが出来ます。それによりレンズ全体の構成枚数が減少し、小型化軽量化を実現しながらもヌケの良い高性能なレンズ設計が可能となります。キヤノンでは研削非球面加工や、ガラスモールド生産などの高度な生産技術で高性能な非球面レンズの安定生産を実現しています。

表現力 Expression

EFシネマレンズについて6

人物を印象的に描き出す柔らかく自然なボケ味、ぬけの良いコントラスト性能、暖かみのあるナチュラルトーン、EFシネマレンズが新たなドラマを生み出します。

■柔らかく美しいボケ味

EFシネマレンズでは、動画における人物描写をより印象的にとらえるために、自然で美しいボケ味を追求してきました。この柔らかいボケ味を作り出している1つの要素が、11枚の絞り羽根です。絞りの枚数が、多ければ多いほど、絞りはきれいな円形に近くなり、開放から小絞りまで、丸く自然なボケを作り出します。さらに、11枚という奇数枚数を採用したことで、向かい合う回折光が互いに強めあうことなく拡散するため、合焦点では柔らかく美しい点光源の光芒を創り出します。

■絞り羽根枚数による光芒(回折)

絞り羽根枚数により回折光の形状は影響を受ける。多数枚×奇数枚の11枚では回折光が拡散し柔らかい光芒となる。

EFシネマレンズについて7

■全レンズで統一された暖色系のカラーバランス

同一条件の被写体を異なる画角で撮影した際に、統一感のある色再現を維持することはシリーズレンズとしてとても重要な要素です。EFシネマレンズの色再現は、全シリーズを通じ、映画の色味として好まれ、肌色をより美しく再現する暖色系のカラーバランスに統一、設計されています。ホワイトバランスを取る放送用の撮影に対し、色温度を固定して撮影することが一般的な映画撮影においては、同一シーンでレンズ交換を行っても、カット毎の色再現のばらつきがなく、撮影から仕上げまで安定したカラーバランスのコントロールが可能になります。この統一された色再現を可能にしているのが、優れた透過率と色再現性を実現する、スーパースペクトラコーティングをはじめとした反射防止膜技術です。フレアやゴーストを低減したヌケの良いクリアな映像を達成すると同時に、安定した分光反射率特性に各レンズ間のカラーバランスを統一し、何年経っても変化しない忠実な色再現を可能にしています。

EFシネマレンズについて8

操作性 Operability

EFシネマレンズについて9

撮影現場での機動性を重視
映画、CM、TV、ドラマ・・・EFシネマレンズはハイエンドプロの信頼に応える優れた操作性と、マニュアル操作に配慮したメカ設計は、様々な撮影現場を効率化します。

レンズ鏡筒部

■基本設計

フルマニュアル仕様のEFシネマレンズは、リングの繊細な操作性を重視した、複雑かつ精密なカム機構を入念に設計。シネマトグラファーの感性に応える適度な重みと粘りのあるトルク感を実現しています。またプライムレンズ/コンパクトズームシリーズはフロント径を114mmに統一。φ105mmのスクリュータイプフィルターが使用可能です。
(※ただし14mmプライムレンズは除く。トップエンドズームはフロント径 136mm)

■距離目盛を左右両面に刻印 蓄光指標を採用

EFシネマレンズについて10

シネマレンズならではの特長として、フォーカス環はレンズの左右両面に指標を刻印しているため、距離目盛を左右両側から確認可能です。また夜間撮影や暗がりでの撮影での視認性を高めるため、蓄光塗料による指標標示を前鏡筒部(右側視認用)に採用しています。

■前玉系・ギア位置の統一

EFシネマレンズについて11

前玉径はφ135(トップエンドズーム)/φ114(コンパクトズーム・プライムレンズシリーズ)で統一されており、レンズ交換時、マットボックス等のアクセサリーがそのまま装着可能です。またズーム・フォーカス・アイリスのギア位置が各レンズシリーズ毎で統一されており、レンズ交換時にもフォローフォーカスなど、アクセサリーギアの位置調整が不要です。

■マウント結合部にラバーリングを採用

EFシネマレンズについて12

プライムシリーズには防塵・防滴処置を施し、過酷な環境での撮影でも様々な箇所を防滴性の高い構造で、砂ぼこりや水滴の侵入を防ぎます。(注)完全防水構造ではありません。水没や激しい雨天では水分が侵入する可能性があります。

■11枚絞り

絞り羽根の枚数を増やすことにより、開放〜最小絞りまで極めて円形に近い自然なボケ味を得られます。また奇数枚にすることで高輝度被写体の光芒が拡散し、やわらかな描写となります。

フォーカス機構

■フォーカスリング

EFシネマレンズについて13

スチルカメラのレンズに使われるF値(Fナンバー)は、焦点距離/有効径で計算され、レンズの透過率を100%と仮定した場合の明るさに対応します。現実にはレンズの透過率によって露出条件が異なるため、センサーに到達する実際の明るさを表記する方法がT値(Tナンバー)です。映画用レンズではT値表記が一般的で、T値とF値は下記の関係式によって表されます。異なるレンズでもT値が同じであれば同じ露出条件になります。

■T値(Tナンバー)表記を採用

EFシネマレンズについて15

スチルカメラのレンズに使われるF値(Fナンバー)は、焦点距離/有効径で計算され、レンズの透過率を100%と仮定した場合の明るさに対応します。現実にはレンズの透過率によって露出条件が異なるため、センサーに到達する実際の明るさを表記する方法がT値(Tナンバー)です。映画用レンズではT値表記が一般的で、T値とF値は下記の関係式によって表されます。異なるレンズでもT値が同じであれば同じ露出条件になります。

■画角変動(ブリージング)の抑制

ズームレンズシリーズは、放送用で定評のある3群インナーフォーカス方式、または新フローティングフォーカス方式を採用して、フォーカスブリージングを極限まで抑制しています。

EFシネマレンズについて14

サンプルムービー Sample movie

topへ